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中小企業で働くワーキングマザーの日常

働ける環境が整っても思う存分は働けない。私の「母性神話」との戦い。

 先日、産前休暇に入った友人がボソッと「体力的にはやっと休めると思うけど、やっぱりもっと仕事したいなって思う。母性が足りないのかな」と言っていた。この友人、自身が妊娠するまでは全く子供好きでもなかったので、「そんなこと気にするんだ?」と一瞬耳を疑うような発言だった。

でも、気持ちはちょっと分かる。私自身も身内の子供ならともかく、「子供ってかわいい~」というタイプではなかったので、やっぱり仕事が思うようにできなくなる、というジレンマは思った。そして、そう思ってしまうことを「母親として良くないこと」だと思った。いわゆる母性神話というやつだ。

 

wikipediaにもある母性のプレッシャー

記事を書こうと思って「母性とはなんぞ」と調べてみたら、wikipediaにこんな記載があった。今日は短く書こうと思ったけど、腹が立ったので引用。

「働く女性」にとっての母性[編集]

「女性=母性」ととらえ、経営者としての女性から「母性」を「万人に降り注ぐの力」だと積極的に認識することで仕事に活かそうという経営思想がある。男女の性差を、むしろ自然から与えられた素晴らしいものと考えることで、かえって社会で女性(=母性)の力を発揮できる、ということである。また家庭においては女性が自ら「子育ては100パーセント母親の責任」と考えることで、かえって父親のサポートの一つ一つを心から感謝することが出来、その結果として、結局「半分・半分の育児」を口で主張するよりも多くの父親のサポートを得られ、子供からの尊敬も受けられる、ということである。母性の重視は「働く女性」を否定するものでないのと同時に、また「働く女性」を家庭の家事や育児に専念する専業主婦よりも価値を高いと考えるものでもないのである[2]*1

 

これ書いたの絶対男だと思った。

母性は「万人に降り注ぐ愛の力…?」すみませんけど、二児の母であり、働く母の私にはそういった母性は備わっていない。自分の子供以外の、ましてや会社にいる大の大人に無償の愛を注げるほど愛情深くはないわ!さらに「子育ては100%母親の責任」とすると楽になる?はぁぁ?もうね、誰が編集なさったのか分からないが、

「母親がすべてにおいて妥協し、惜しみなく愛を注げば、夫婦関係も子育ても仕事もうまくいく」みたいな考え方を『母性』という言葉で片付けすぎていないか?

 

妊娠・出産による制限は母性では片づけられない

前述の友人しかり、ママたちは妊娠したら自然に無償の母性が沸くもんだと思っている。(私も思っていた)だから、妊娠・出産で受ける制約を「抵抗なく受け入れることができない」ことを「母性がない」と思いこむ。母性がない=母親失格のような気がするから、余計に落ち込む。母性神話の始まりだ。

なにせ妊娠中につわりなどで仕事を制限するためにドクターに書いてもらう紙まで「母性健康管理指導事項連絡カード」と言うぐらいだしね。(これ、働くママカードとかにすりゃいいのに)

正直私は生まれてみてもなお、世の中がお求めの無償の母性は発揮されなかった気がする。いや、子供はかわいいし命に代えても守りたいと思う。だからといって、すべての出産・育児にまつわる制限を「母性」という言葉によって受け入れられるかというと、無理だ。子供を置いてでも仕事をしたいと思う時があるし、妊娠中に酒を心底飲みたいと思ったし、ぐずる子供に「あーもう無理」と思ったのも一度や二度ではない。私の場合、振り返ってみればこういう「我慢」は「母性」で消化されることはなく、結局のところ「ストレス」に直結した。これはよほど「母性の強い」ママでない限り、同じかと思う。ところが、私たちはなぜかこういう気持ちに罪悪感を持つ。実母に「もうお母さんになるんだから」と言われたり、下手すれば夫に「母親のくせに」とか言われて落ち込むママもいるのだろう。(こういう男、ほんと「あんたは父親のくせに!」と思うわ)

私の内側にある母性神

実はそうは言っても、自分自身もこの母性の呪縛から逃れられずにいる。育児休業から復帰し、仕事も軌道にのってくると、もっと残業や出張もこなして仕事をしたいと思うことが多々ある。我が家の場合は夫がお迎えもできる時間に帰ってくるし、すべての家事育児をこなせるので残業や出張も物理的には問題なくできる。夫も「気が済むまで仕事したいならしなよ」というタイプだし、子供も「パパお迎えがいいし。ママ、頑張って」なんて言ってくれる。やればいいのだ。

けれど、私はやっぱり最低限に抑えている。もちろん家族だんらんの時間を持ちたいということもあるが、どこかで「やっぱり母親だしね。一緒にいなきゃ」とか「夫に子供預けてまで受ける出張じゃないし」という気持ちがぬぐえずにいるのだ。(もちろん必要な出張には行く)

夫は私の話を聞いて理解できないようだった。「なんで?別にそんなの気にならないけど」と。結局、私の中にはどこか「母親なんだから◎◎しなきゃ」という気持ちがくすぶっている。それは良い方向に作用することもあれば、「専業主婦だった実母がしたように手作りのおやつをなるべく作ろう」などと、物理的な無理があるのに「やらなきゃ」と思いこんで、無用なストレスを生むなんてこともけっこうある。

結局私はここまで環境が整ってもなお、『母性』という見えない敵に罪悪感を刺激されながら働き続けている。これはザ・専業主婦の家庭で育ったことも大いに影響しているような気がするので、私が頑張りすぎることで将来、娘が同じような苦しみを味わうことのないようにしたいと思っている。…でもあんまり手を抜く?と、お母さんである意味ないんじゃないかな、子供に良くないんじゃないかな…ともう一方の母性神話に侵された私がストップをかける。やっぱり母性が一概に悪いことだとは全く思わないから、本当に難しい。いつか自分なりの答えを出せる日がくるのだろうか。

 

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*1:wikipedia母性より