salarymanma 

中小企業で働くワーキングマザーの日常

ワークライフバランスなんて仕事したくない奴が言うこと…という人を説得したいあなたへ。

まだまだいるよね、こういう人。会社に一人はいる。あ、一人と言わず、ゴロゴロいるかも。

実は人事の世界にもたくさん生息している。無理もない。ほんの10年いや5年前はダイバーシティだの、ワークライフバランスだのは言葉さえ知っていれば「対岸の火事」ぐらいで済んでいたのだから。それが急に(本当はまったく急じゃないけど)世の中が騒ぎ出して、「やっておけ。来年から女性管理職比率も公表せにゃならん」なんて言われて渋々やっている人事の人たちをたくさん見てきた。(だいたいオジサン)

経営層にも多いだろう。特に中小企業で5年先の会社の存続に危機感を抱いているような経営者は「ダイバーシティ?あぁ、女性活用のことね」とか、「男にワークライフバランスなんていらんでしょ」とかそのぐらいの意識でしかないことが多い。(意識があるだけマシかも)決して「経営戦略としてのダイバーシティリスク管理のためのワークライフバランス」なんて言葉は出てこないのが普通かと思う。

 

ワークライフバランスの世界はママばかりという現実

 

ワークライフバランスとかダイバーシティとかは結構せまい業界?なので「わが社もワークライフバランスを進めたいんです」という人によく出会う。その存在はとても心強いが、そういう意気込みある人はだいたい古くからいる人事担当者…ではなく、9割がた2-3年以内に出産した女性社員であることが多い。私もその一人だ。大企業になると、会社から「働くママのロールモデル」として、勝手にWLB推進担当やダイバーシティ推進室長なんかに抜擢されていたりするので余計にこの傾向がある。

そして、彼女たち(私自身を含む)は皆一様に理解のない社畜オジサンたち(理解あるおじさんもたくさんいるし、無理解な女性もいますが、仮に総称として使わせていただきます)の打破に苦しめられている。

なぜなら、社畜オジサンたちは、それなりに会社の良いポジションにいる。下手したら経営層だ。そんな彼らが「No!」と言えばすべてはそこで終わってしまうのだ。最近は少子高齢化という誰もあらがえない問題があるので、表立って反対するようなオジサンはいないが、かといって積極的に推進してくれる人もほぼいない。他社の推進担当のママさんたちと話していると、だいたいこの「オジサン」話、というか愚痴でひと盛り上がりするのが恒例だ。

 

「これからは専業主婦の時代だ!」と言われて納得できるのか。

私自身もこの社畜オジサン層にさんざん苦しめられてきた。どんなに今の窮状を訴えても「今はワークライフバランスとか言っている場合じゃない。目標数字がうんぬん…」とか「ママはどうせ時短とってるんだしWLB取れてるでしょ」とか、全然うまくいかなかった。ときには隠れて悔し涙を流したこともある。「経営にとっても有益なのに、どうして分かってくれないの」と。

でもあるとき、他社の推進担当の方に聞いた話ですごく納得がいった。

「今、会社でトップにいる人たちは、家庭を顧みず長時間働いて、今のポジションにいるんです。それが彼らの成功体験だから、家庭も仕事も…という考え方はむしろ自分の成功体験を否定することになる。受け入れられなくて当然です。だから反対はしない、それだけで十分なんです」と。

 

この話を聞いて、私はこれを自分に置き換えて考えてみた。私が50代になったとき、「やっぱり世の中、専業主婦で子育てすることが子供にとっては一番でした。だから、専業主婦が増えるような会社にしましょう」

となったら?子供と向き合う時間の少なさに罪悪感を持ちつつ働いてきた私が、素直に「そうだね、応援しよう!」となるだろうか…。ごめんなさい、私はそんな大きな器の持ち主ではない。(専業主婦にうらみはないです。念のため。選ばなかった人生と得られなかった時間いう意味です)

たぶん、社畜オジサンたちはこのぐらいの価値観の転換を強いられているのだろう。ちょっとだけ、大変さは分かる気がしてきた。

 

WLBについて当事者意識でプレゼンすることの危険

オジサンたちの気持ちが分かったところで、「うん、やっぱり家庭を顧みず会社に尽くすことがよし」とはもちろんならない。私は専門家ではないので、正しいのかは分からないが、ダイバーシティ多様性、なのであれば、こういう社畜的オジサンたちの考えもまた「多様性」の一つだろう。(ただ、社畜的な働き方が会社のリスクであることは変わりないので、それを推進するのはナシ)

だから、彼らの価値観を無理やり変えることは「ダイバーシティの実現」ではないし、そもそも人の価値観を変えるのは相当に難しい。そんなことが簡単にできたら、夫の非協力に悩むママがこんなにいる訳がないのだから。

で、私が取った作戦は当たり前なんだけど、「相手の立場」で考えることだった。それまで「女性活用」だの「WLB」だのは自分が当事者すぎて、「◎◎で困っている人がいます!(私も含めて)だからどうにかしましょう」というプレゼンをしていたと思う。ビジネスの現場では本当に恥ずかしい失敗だけど、人はやっぱり当事者意識のあるものほどプレゼンしやすい。それが自社商品のユーザーなら相手も耳を傾けるけれど、(彼らからすれば)大して成果もない・時間的コミットもない、いちママ社員だったら、あまり重要視されないのも無理はない。悔しいが。

 

数字、事実、そしてフルコミット男性社員の声

この恥ずかしい失敗に気付いたあと、私はまず、ありとあらゆるデータを調べた。もちろんそれまでもデータは提出していたけれど、「育休復帰後に休暇を取得する日数」とか「産休を取得する女性の数」とか「小1の壁で辞める人の多さ」など、オジサン達がWLBの必要性をイメージするにはちょっとズレていた。反省だ。

よく「オジサン層には介護の話をせよ」というのがWLBの第一人者である小室淑江さんあたりがよく言うセオリーなので、社員の平均年齢や介護に入る予想人数を算出。ワークライフバランスの意味も再度説明し、「働きたい人は働いていいんですよ」ということをきちんと話した。ワークライフマネジメントという言葉に置き換えたりもした。

退職者の退職理由もヒアリングし、WLB(育児・介護・長時間労働)を理由に退職した人の割合も算出。さらに、彼らが自分を重ね合わせているであろう、長時間労働が続いている子育て世代の男性社員にもヒアリングをして、理想の働き方と今がどれだけ乖離しているかを匿名にしてまとめたりした。

これらのデータを出してみて、やっとこさ「話を聞いてやるよ。なんかヤバそうだしね」という段階だ。社内で家族の介護をする社員が出てきたのも追い風になった。

 

子供に恵まれると途端に気になるのが働き方。私も未婚の時代から関心はあったが、実感をもって「変えたい」と思ったのはやはり子供を産んでからだ。だから、同志に出会えることはとても励みになる。こんな初歩的な失敗する人はいないかもしれないが、今まで出会った人の中には、目の前の育児と仕事の両立に追われ、同じ轍を踏みそうな人はたしかにいた。というわけで、当事者意識を持ちすぎると、私のように失敗します…という反省文でした。

 

★関連記事

salarymanma.hatenablog.com

 

にほんブログ村 子育てブログ 産休中・育休中育児へ
にほんブログ村